治療の場(相談・サポート) 臨床研究

rTMS研究室

rTMS研究対象者

 中等症以上の抑うつ症状(仕事や家事、娯楽活動に明らかな支障をきたすレベル)を示すうつ病患者さんの場合、まずは療養のための環境をしっかり整えて、抗うつ薬などによる薬物療法を行うことが原則となります。しかし、約3人に1人は、抗うつ薬による十分な薬物療法を受けても、治療に十分反応しないことが、世界中の臨床研究で明らかとなっています(文献1)。療養生活と十分な薬物療法を行いながら、半年から1年程度経過をみても、復職が難しく、リワーク(復職リハビリテーション)への通所も難しいという場合には、脳刺激療法も選択肢の1つになると考えられます。脳活動は心臓と同様に電気活動で調整されていますので、電磁気をつかって脳機能を調整する治療的アプローチです。療養生活もままならないほどに症状が重いかたには、高い治療効果とその即効性から、電気を用いたけいれん療法(mECT)をお勧めすることがあります(保険診療)。しかし、復職やリワーク通所までは難しいものの、ある程度の療養生活は出来ているというかたには、主にリスクの側面からmECTはあまり積極的にはお勧めしません。世界的な水準でみると、もっと気軽に受けられる脳刺激療法もあります。その代表がrTMSであり、北米を中心としてうつ病治療として承認されています。まだ日本ではrTMSは治療として保険収載されていません(平成29年7月に薬事承認済み)。しかし、保険診療の枠外で臨床試験に参加するという形であれば、被験者としての基準を満たせばrTMSを経験することは可能です。ただし、臨床試験は個々に合わせた通常の治療行為ではなく、ある基準を満たした集団に対して、事前に決められたrTMSの介入を一律に実施して、日本人におけるrTMSの安全性と有効性を評価する研究的な取り組みであることを十分にご了解いただく必要性があります。
 臨床研究への参加を希望されるかたは、申請書をダウンロードしていただき、当センターまでご郵送ください。

 

参考文献

  1. Rush AJ, Trivedi MH, Wisniewski SR, Nierenberg AA, Stewart JW, Warden D, et al. Acute and longer-term outcomes in depressed outpatients requiring one or several treatment steps: a STAR*D report. Am J Psychiatry. 2006;163(11):1905-17.

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