令和8年度から県立精神医療センターのホームページ上で、医局の医師たちが執筆するコラムの掲載を始めることになりました。
そもそもこのコラムを提案した一番の理由は、私たち精神科医の仕事をもっと多くの人に知っていただきたいからです。「お医者さんの仕事」というと、普通、内科の診察室や外科の手術場面などをイメージされる方が多いのではないでしょうか。発熱や咳、腹痛などは誰もが一度は経験したことがあるかもしれませんが、心の病気がどのようなもので、その治療はどうやって行われているのか、自分自身や身近な人が経験しなければ、なかなか知る機会はないと思います。
私がコラムを通して皆さんに特に知っていただきたいことは、私たち精神科医が当院で治療している心の病気のことだけでなく、私たちがどのような思いで患者さんに向き合い、何を考えながら治療を行っているか、という点です。当たり前ですが、私たち精神科医はAIロボットではなく、皆さんと同じ感情や気持ちを抱えた生身の人間です。でも、実際の診療場面では患者さんの治療が優先ですので、自分の感じたことや思いを出せないことも多々あります。
せめてこのコラムを通して、精神医療の現場で働いている医師たちが普段の診療を行いながら考えていることや思いを少しでもお伝えすることができれば、精神医療に対するなどを減らせるのではないか。大海の一滴かもしれませんが、そんな思いで始めさせていただきました。毎月1つずつ、コラムを掲載して参りますので、お付き合いいただければ幸いです。 (精神医療センター所長 小林 桜児)


