精神科単科の専門病院である神奈川県立精神医療センターには、外来と一般精神科病棟、精神科救急病棟、専門病棟(依存症、ストレスケア、思春期、医療観察法)があり、様々な病期にある患者さんや、より高度で専門性の高い治療を必要とする患者さんに医療を提供しています。当院には神奈川県の精神科中核病院、精神科救急医療システムの基幹病院として、県民に充実した精神科医療、看護を提供する役割があります。
このような役割を果たすために、私たち看護師には「安全で確実な医療・看護を提供するため精神疾患やその治療に関する専門知識や技術の獲得」、「患者さんとの信頼関係を築き、互いに理解を深めるための『かかわり』のスキルの習得」、「『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』の推進を目指し、地域で生活する視点の育成」が重要だと考えています。
当院の看護局ではこのような力を持った看護師の育成を目指し、一人ひとりのキャリアアップのため院内研修とOJTをつないだ教育体制を整えています。そして、根拠と意図を持った質の高い精神科看護を目指し、系統立てた教育計画に沿って成長を支援しています。
精神科看護は「こころにかかわる」仕事です。私たちは、生活者としての患者さんに関心を寄せ、対話を通して理解を深めながら、患者さんと共に歩むことのできる看護を目指しています。生活のしづらさや生きづらさを感じている患者さんの「その人らしさ」を大切に、私たちも新しい「チャレンジ」を積みかさねていきたいと思っています。
副院長兼看護局長 坂本 由紀