所長あいさつ

所長あいさつ

 神奈川県立精神医療センターのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 所長の田口寿子です。

 私は、2019年4月に当センターに着任し、より地域に開かれた病院づくりをめざしてさまざまな取り組みを進めたいと考えておりました。しかし、2020年1月に新型コロナウイルス感染症のパンデミックという未曽有の事態に直面し、以後約3年間は、万全の感染防止対策をしつつ精神科救急をはじめ当センターが継続しなければならない医療を維持することに注力せざるを得ませんでした。2020年5月から、県の精神科コロナ重点医療機関として、地域・県内の精神科病院・施設などで感染した精神科患者さんを受け入れ、職員が一丸となって心身両面の治療に携わってきたことは、当センターにとって非常に貴重な経験になっております。

 これまで大きなクラスターを発生することなく、当センターの全病棟がそれぞれの機能を果たし続けることができたのは、ひとえに、制限の多い厳しい療養環境の中で感染防止対策にご協力下さった患者さん、ご家族、支援者の皆様のおかげです。心より感謝いたしますとともに、引き続きご協力賜りますようお願い申し上げます。

 

 2023年5月8日に新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行されることになります。今後の感染状況の動向に注意を払いつつも、できるだけ通常の医療提供体制に戻し、県立精神医療センターとして以下の取り組みを進めていきたいと考えております。

1.患者さんのパーソナル・リカバリーと地域生活を支える医療を進める

 精神症状の改善だけでなく、患者さんの主体性、自律性を尊重し、社会の中で患者さんご自身が望む生活を送ることができるよう、多職種チーム医療、アウトリーチ、就労支援などをいっそう進めていきます。

 

2.専門性の高い医療を担える人材を育成する
 精神科救急、依存症治療、医療観察法医療、思春期医療、ストレスケアの病棟における専門医療の充実のために、医師、看護師、コメディカルなど幅広い人材の育成に努めます。

 

3.関係機関と連携し、地域精神保健のネットワークづくりをする
 病病連携、病診連携はもとより、精神保健関連の行政・福祉機関、地域の諸施設や企業など、メンタルヘルスに関する幅広いニーズに答えながら、地域精神保健のネットワークづくりをいたします。

 

4.精神障害に関する情報発信や啓発活動を行う
 研修会、講演、ホームページなどを通して、精神障害に対する社会の理解、早期発見・早期治療を促進するために必要な情報発信や啓発活動を積極的に行います。

 

 なお、患者さんやご家族、医療関係者の皆様、当センターへの入職を希望される皆様それぞれがご利用しやすいよう、2023年4月にホームページを全面リニューアルいたしました。今後も積極的に、さまざまな情報発信をしていきたいと考えております。お使いいただく皆様から、是非ご意見、ご要望をお寄せいただければと思います。

                                                                                                                    2023(令和5)年 4月

                             神奈川県立精神医療センター
                                所長 田口 寿子