治療の場(入院・外来治療) 専門治療

依存症(2B病棟)

病棟の特色・アピールポイント

 アルコール・薬物依存症を中心に、ギャンブルや過食嘔吐、自傷行為などが止まらない「行動の依存症」や、依存症に合併しやすいさまざまな精神障害に対する治療も並行して行っている依存症専門病棟です。治療プログラムは多職種が連携して提供しており、退院後の依存症再発リスクを減らすために、入院中から退院後の生活を考慮に入れた助言や支援も重視しています。
 開放病棟ですので、原則として日中の病棟の出入りは自由です。全45床のうち、隔離可能な準保護室が8床あるため、アルコールや薬物の離脱期等で見られる一時的な精神症状の悪化にも対応可能です。ただし激しい精神病症状に対応可能な保護室はありませんので、幻覚妄想症状や認知機能の低下が重度の方はお引き受けすることができません。

対象者は
  • アルコール依存症と診断され、解毒や治療プログラムなどの入院治療を要する方
  • 薬物依存症(覚せい剤や大麻、危険ドラッグなどの違法薬物だけでなく、睡眠薬などの処方薬や、市販されている各種薬剤を含む)と診断され、解毒や治療プログラムなどの入院治療を要する方
  • ギャンブル依存症と診断され、生活環境調整、併存する他の精神障害の治療などのために入院を自ら希望される方
  • 過食嘔吐や自傷行為が止まらない「行動の依存症」に対して、入院による生活リハビリや治療プログラムを受けることを自ら希望される方
  • アルコール・薬物などの乱用は止まっていても、依存症に関連した他のさまざまな精神症状に対して治療プログラムや薬剤調整、休養などを目的に入院治療を自ら希望される方
入院中の治療について
  • 主治医が必要と判断した方には、さまざまな薬物療法を提供します。
  • 病棟で提供される依存症治療プログラムは原則としてすべて選択制です。入院時に主治医がお勧めするさまざまなプログラムの組み合わせをたたき台にしつつ、希望に応じて患者さん自身に取捨選択していただきます。そのため患者さん毎に週間スケジュール表の内容は異なります。病状によってはご希望に沿えない場合もあります。
  • 標準的な入院期間はアルコール依存症の方が2ヶ月、薬物依存症の方は1ヶ月ですが、患者さんの病状や入院目的に合わせて個別に主治医が入院期間を設定、変更することがあります。
  • 入院中から退院後の生活を考慮して精神保健福祉士による生活環境調整を行い、自宅近くの依存症リハビリ施設や自助グループへの見学参加を目的とした外出泊訓練も積極的にお勧めしています。薬剤指導や栄養指導も適宜提供しています。
スタッフは

 受け持ちの医師、精神保健福祉士、看護師を中心に、臨床心理士、作業療法士の他、必要に応じて薬剤師や栄養士にも治療チームに参加してもらい、患者さんをサポートしています。毎週多職種カンファレンスを開いて依存症治療プログラムや個別支援の内容を検討しています。

治療プログラム
 
午前   遠出(月1回) 作業療法
アート
木曜会 作業療法
「すます」
プログラム
   
午後 女性グループ
男性グループ

せりがや講座

音楽療法
(月1回)
せりがや講座

作業療法
ボディワーク
SMARPP16 SARPP SST AA/NA
メッセージ
断酒会
メッセージ
治療プログラムの詳細
  1. 女性/男性グループ:病棟看護師が担当し、男女別に分かれてテーマに沿って参加者一人一人が体験や気持ちを発表します。他の参加者の意見を聞いたり、自分の気持ちを話すことで、新しい考え方や隠れていた自分の感情に気づくことができます。女性グループでは女性の心と体について学習したり、手作業を楽しむ回もあります。
  2. せりがや講座:多職種が担当し、それぞれの専門分野で依存症に関連した講義を行います。
  3. 音楽療法:専門の講師が担当し、歌やピアノ、ギターなどの生演奏など、さまざまな音楽に触れることで、入院生活の気分転換をはかるとともに、回復に向けた新しい楽しみをみつけるきっかけとなることを目指します。
  4. 作業療法:作業療法士が担当し、ボディワーク、アート、すますプログラムの3種類があります。ストレッチや机上作業、グループワーク等をすることで、自分の身体やこころの状態を把握し、改善をはかれるようにしていきます。
  5. SMARPP16:病棟看護師が担当し、ワークブックを用いて薬物依存症の病気の特徴と依存症からの回復方法について学びます。依存症リハビリ施設(ダルク)のスタッフにも参加し、回復者の立場から助言していただいています。
  6. 木曜会:臨床心理士が担当し、患者さんたちの話し合いを支援して、さまざまな病棟活動を計画立案、実施していくことで、コミュニケーションや相互交流を促進します。
  7. SARPP:病棟看護師が担当し、ワークブックを用いてアルコール依存症の病気の特徴と回復方法について学びます。
  8. SST:病棟看護師が担当し、場面やテーマを設定して、患者さん同士でコミュニケーションの練習をします。上手に相手に自分の感情を伝えられるようになることを目指します。
  9. AA/NA、断酒会メッセージ:横浜市を中心に活動している自助グループ(依存症当事者の方々が互いに支え合うグループ)のメンバーの方に病棟で自らの体験談を語っていただくことで、回復に向けた共感や学びの場となることを目指します。
アルコール・ギャンブル等家族会

 アルコールや薬物(覚せい剤・処方薬など)等の依存についての知識を学びあい、話し合うことで、家族としての適切な関わり方を共に考えていくことを目的としています。

 依存症患者ご本人に対してどのように関わったらよいのか、わからずに悩んでしまうご家族は多いのではないでしょうか。依存症は家族や周囲の人を巻き込んでしまう特徴をもっており、ご家族の方が精神的に不安定になってしまったり、体調を崩してしまうことも決してめずらしいことではありません。たとえ依存症患者さんご本人が病院に行くことを拒んでいたとしても、まずはご家族が家族会に参加していただき、病気についての正しい知識や他のご家族の対応の工夫などを知っていただくことで、少しでも気持ちを楽にし、落ち着きを取り戻していただきたいと考えています。

 今年度は、当センターに受診歴のない患者様のご家族、他院へ通院中のご家族は、新型コロナウイルス感染予防対策のため家族会へのご参加はご遠慮頂いております。
 当センターへおかかりでない方の受診や、ご家族の対応についてお困りの際は、依存症担当相談員に相談下さい。

依存症自助グループ

自助グループ 自助グループとは、「同じ問題を抱える者同士が集まって意見を交換し、互いに援助しあう集団(大辞林第三版より引用)」です。依存症の病気を1人で回復させることは難しく、断酒の苦労や回復の喜びを共に分かち合える仲間の存在が回復の助けになると考えられています。当センターでは、自助グループは通院・抗酒剤と並ぶ治療の三本柱であり、病気からの回復のためにとても大切な要素であると考えています。

 自助グループに足を運ぶと、お酒や薬物を断っている多くの回復者に出会うことができます。そのような方々との出会いを通して、自らの回復の可能性を感じることができる、信じることができるようになる人も多いようです。

 アルコールや薬物依存に関連する自助グループとして、アルコール依存症はAA(Alcoholics Anonymous)および断酒会、薬物依存症はNA(Narcotics Anonymous)があります。活動時間帯は夜間が中心ですが、中には日中も活動しているグループもあるようです。詳しくはお近くの自助グループに直接お問い合わせください。なお、外来待合の掲示板に自助グループの情報を掲示してありますので、そちらもご覧ください。

リハビリ施設

リハビリ施設 プログラムを通して、自分自身と向き合い断酒や断薬についての知識や技術を身につけること、生活のリズムを作ること、自助グループにつなげること、就労に結びつけること、などを目的にしています。施設の職員はアルコールおよび薬物依存症からの回復者本人であることが多く、自分自身の回復体験をもとに利用者に助言したり、相談にのったりしてくれます。アルコールや薬物の問題は、当事者にしかわからないことも多いので、とても頼もしく心強い存在です。

 多くの施設はデイケア施設として、午前中から午後にかけて開所しており、プログラムはミーティングを中心に様々なものが用意されています。なお、通所だけでなく、入所施設を併設しているところもあります。

 当センター近隣の施設としては、アルコール依存症では横浜マック、川崎マック、寿アルク、たんぽぽなど、薬物依存症では、横浜ダルク、川崎ダルクなどがあります。

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