BADO(患者基本記録)

BADO(患者基本記録)

J-BADO2016ホームページ掲載にあたって

BADO(Basis Dokumentation)=患者基本記録は、精神科医療の質評価のためのデータシステムです。
ドイツ精神医学精神療法神経治療学会(DGPPN)が作成し、1995年よりドイツの州立病院を中心に導入されました。
患者さん一人に対し、一回入院ごとのデータファイルで、入院時と退院時に医療者によって記入されます。
内容は、患者構造、治療プロセス、アウトカムを反映する約80項目からなります。
日本においては、DGPPNの承認のもとに、1999年に日本語版BADO(J-BADO)が作成され、これまでに統合失調症や急性期入院に関する日独比較や、長期在院者についての検討がなされてきました。
これらの経験をもとに、現在の精神科医療に即した形に改訂したものが、J-BADO2016です。

神奈川県立精神医療センターでは精神科医療の質向上を目指して、2016年4月より依存症病棟・医療観察法病棟を除く全病棟で、J-BADO2016を導入しました(2017年4月からは依存症病棟にも導入)。入院時と退院時に、多職種チーム(医師・看護師・社会福祉士・心理士・作業療法士・薬剤師)によって入力されています。

今後はHP上にも、結果の一部を継続的に掲示していきます。精神科医療の質の向上のための、一資料として参照していただければ幸いです。
また今後、地域の他施設がBADOに参入できるように、J-BADO2016の記入用紙とマニュアルを掲載し、ダウンロードできるようになりました。他病院にもひろく利用していただき、病院比較の可能性を積極的に模索しています。
今後はさらに多面的で多彩な結果を掲示できるものと考えております。

J-BADO結果

結果は以下よりダウンロードしてご覧ください。

入退院時

入院時

退院時

資料ダウンロード

以下の記入用紙、マニュアルをダウンロードするにはIDとパスワードの取得が必要です。

  • J-BADO2016記入用紙(入院時)
  • J-BADO2016記入用紙(退院時)
  • J-BADO2016マニュアル(入院時)
  • J-BADO2016マニュアル(退院時)

下記のフォームに必要事項記入し、送信してください。資料ダウンロードのご案内をメールでお知らせします。

資料ダウンロードフォーム

学会発表等

  • BADO(患者基本記録)を用いた精神科医療の質管理:全国自治体病院学会(2016.10)
  • 精神医療における地域包括的な質の向上の試み-BADOを用いた連携の構築:神奈川県公衆衛生学会(2016.12)
  • 地域移行支援病棟の退院群と未退院群の比較-退院可能性の指標:精神科医学会(2017.10)
  • うつ病治療の機能分化-ストレスケア病棟と救急病棟の比較:精神科医学会(2017.10)
  • 当院薬物療法の現状(F2群対象):精神科医学会(2017.10)
  • 当院思春期病棟の特徴~開設から2年を経て:児童思春期学会(2017.10)
  • 精神科医療の質向上の次のステップ-患者志向的質管理:全国自治体病院学会(2017.10)
  • 当院における神奈川県精神科救急システム入院の治療アウトカム:精神科救急学会(2017.11)
  • BADOを用いた当院の薬物治療についての現状評価-F2群を対象として(第2報):日本精神科医学会(2018.10)
  • 精神科病院における入院長期化の要因と退院促進因子の検討ーBADOを用いた調査ー:日本精神科医学会(2018.10)
  • 県の精神科医療の中核病院での質管理-BADO(患者基本記録)導入2年を経て:日本精神科医学会(2018.10)
  • 精神科救急病棟における入院長期化に影響を及ぼす因子-BADOを用いた分析:精神科救急学会(2018.10)
  • 精神科病院における長期入院患者の退院促進要因の検討~BADOを用いた調査~:全国自治体病院学会(2018.10)
  • 精神科病院における入院長期化の要因検討~BADOを用いた調査~:全国自治体病院学会(2018.10)
  • 当院におけるmECT施行群の特徴と治療アウトカム-F3群を対象としたBADO(患者基本記録)を用いた調査-:東京精神医学会(2019.3)
  • 初発統合失調症入院例の特徴と治療アウトカム:精神神経学会(2020.6
  • コロナ禍が精神科救急入院医療に及ぼした影響について:精神神経学会(2021.6

  • 救急病棟における入院患者の動向-2016年度から2021年度まで3300例の分析-  :神奈川精神医学会(2023.2
  • 救急病棟における自傷他害ケースの特徴と治療アウトカム:精神科救急学会(2023.10

  • 救急システム経由で入院となった大麻使用患者と覚醒剤使用患者の比較:精神科救急学会(2023.10

参考文献

  1. 森脇久視、岩井一正、Clemens C:ドイツにおける患者基本記録(BADO)を用いた精神科医療の質向上の試み.精神医学 53:679-687,2011
  2. Hubner-Liebermann B, Spiessl H, Iwai K, Cording C : Treatment of schizophrenia: implications derived from an intercultural hospital comparison between Germany and Japan. Int J Soc Psychiatry 51 : 83-96 , 2005
  3. Moriwaki K, Neuner T, Hirakawa J, Iwai K et al : Acute psychiatric inpatient care: A cross-cultural comparison between two hospitals in Germany and Japan. Int J Soc Psychiatry 59:771-781, 2013
  4. 岩井一正、森脇久視、平川淳一、他:慢性期病棟の入院患者の特性:BADO(患者基本記録)を用いた急性期病棟との比較.精神医学 54:1209-1218,2012