❝依存症❞や、LGBTQということばが広く知られている❝セクシュアルマイノリティ❞。身近に感じにくい2つのテーマを通じて、周りの人から気付かれにくい・打ち明けづらい生きづらさを語り合いました。
令和5年度依存症シンポジウム「依存症とセクシュアルマイノリティ~考えてみよう、打ち明けられない辛さ~」を終えて
令和6年2月2日(金)に、当院主催の依存症シンポジウムが開催されました。
今回のシンポジウムのテーマは「依存症」と「セクシュアルマイノリティ」という、日々メディアで取り上げられているにもかかわらず、実際は世間から理解されていない部分が多い両者をとりあげました。目的は、まずは「依存症」と「セクシュアルマイノリティ」を1人でも多くの方に知っていただく、関心を寄せていただくことでした。
シンポジウムの前半は、私自身が「依存症」と「セクシュアルマイノリティ」について、さらには両者の関係性について広く話し、特に「セクシュアルマイノリティ」に特徴的な逆境体験や両者それぞれに偏見や差別による二重のスティグマが存在することを取り上げました。
さらに、当事者であるゲストを3名お迎えし、それぞれの体験に基づいた貴重なお話を聴くことができました。3名のゲストが日々感じていることを聴くことで、「周囲がなかなか気づけない部分」、「想像することしかできない部分」を改めて知ることができました。
シンポジウムの後半は、3名のゲストや当院の医師によるディスカッションがおこなわれました。ディスカッションをしていく中で、目の前にいる人をこちらの価値観や先入観で決めつけてはならないこと、それこそが相手を傷つけ、偏見や差別を生むことにつながるだろうことに改めて気づかされました。
「依存症」、そして「セクシュアルマイノリティ」をテーマにした今回のシンポジウムを開催するにあたり、当院としても意識したこと、配慮したことがあります。まずは、運営スタッフに対しての「セクシュアルマイノリティ」に関する知識の事前共有です。また、事前に当院運営スタッフが当日の会場視察をしたところ、「会場のトイレは、男女別のみ!」という事実が発覚し、急遽“だれでもトイレ”を設置しました。
「依存症」と「セクシュアルマイノリティ」というテーマのシンポジウムを開催したこと、令和5年4月より当院ではレインボー外来(セクシュアルマイノリティである方の依存症専門外来)を開設したこともあり、今後も1人でも多くの当事者の方への支援に力を尽くしてまいります。さらに、さまざまな多様性に対応できる病院を目指していきます。
一部分ではありますが、私の講演部分の動画を公開いたしますので、当日ご参加いただけなかった方もいらっしゃると思いますので、ぜひご覧ください。
講演 西村 康平「依存症とセクシュアルマイノリティを知ろう」
神奈川県立精神医療センター 医師
URL:https://youtu.be/RsIzoqaF-SU
問合せ先 神奈川県精神医療センター 経営企画課 045-822-0241(代表)